「関西弦楽器製作者展示会」に出展予定でしたバイオリン
デルジェス 「イル・カノーネ」のコピーモデルです。
ご存じのようにこのバイオリンのオリジナルはかのニコロ・パガニーニが愛奏したことで有名です。

今回その「イル・カノーネ」バイオリンのデータをできるだけ詳細に再現し、このバイオリンがどんな「声」をしてるのかを確かめようと製作してみました。

ただしかなりマッチョな出来なので演奏者を選ぶかもしれません。
ガンガン弓圧をかけて弾きたい人向けですね。弾きこんでいけば「質量感のある音質」に育っていくことと思います 。

さて、肝心の音ですが、裏板の最大厚さが7ミリ近いこともあり「重すぎる新作」として鳴り方に不安がありましたが、全体に厚いのでバランスが取れているのか、思ったより良く鳴ってくれます。YouTubeなどにアップされている演奏動画にやはり音質は似ている気がします。

動画で「試奏会」の模様がアップされました。

ちょっと見慣れない「異形」の渦巻きの形ですね。そしてスクロールの背面には「お約束」の封蝋が付いています。。。

各所寸法は以下の通りです。(単位は㎜)

【新作小型チェロ】
ニス塗りからしばらく時間が掛かってましたが
「A.Stradivari “Saveuse”1726」モデルの小型チェロが完成しました。

オリジナルの横板はもう数ミリ高いのですが、演奏性を重視して現在の寸法に。
また、弦長は標準より15㎜短めです。

胴長 728
アッパー 337
センター 233
ロアー 420
ストップ長 390
ネック長 274
横板高さ(ネック) 113
(エンド) 118
弦長 675

「百聞は一奏に如かず」、弾きやすさと鳴りの両方を求めている方は是非一度試奏してみてください。

新型コロナウイルスの感染拡大を少しでも防ぐために長らく営業自粛しておりましたが、6月1日から緩やかに再開致します。
今後も引き続きご愛顧の程、よろしくお願いいたします。

なお、ご来店の際は(緊急時を除き)なるべくご予約をお願いいたします。

電話06 6433 6961
メール info@domani-vn.jp

旧年中はたくさんのご愛顧、ご成約ありがとうございました!

今年もさらに味わい深い佳い音色の楽器製作を目指して取り組みたいと思います。

営業日につきましては実験的に月火水とお休みをいただいておりましたが2020年からは元の通り「火曜定休」とさせていただきます。

日曜日のご来店に関しましてはご予約のみとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

9月26日~30日まで、普段お世話になっている「ヴァイオリンプラザ西宮」さんで「チェロフェア」を行います。ドマーニからは小型チェロを含めハンドメイドのチェロを3台出展します。詳細はこちらhttp://www.eonet.ne.jp/~violinplaza-n/index.html

チェロ本体はもちろん、弓、ケースをはじめ小物類も揃えますので是非お運びください。

なお、25日(水曜日)は準備のため、また会期中はショップに常在するために「ドマーニ」はお休みいたします。

更新が大変滞っていましたが、「関西弦楽器制作者協会」の展示会に出展します。

ドマーニではアンティークフィニッシュのヴァイオリン2台、チェロ1台

それと小型(レディース?)チェロ1台を出展します。

入場無料、試奏自由なので是非おいでください。

詳細はこちら ↓

第11回 関西弦楽器製作者協会展示会のご案内(2019年5月2日~3日)

 

バイオリンとほとんど大きさが同じのビオラを制作しました。

ボディ長はバイオリンより1センチほど長いだけです

バイオリンとの比較(左がフルサイズのバイオリン)

 

ちなみに寸法は、普通のバイオリンのボディ長が356mmなのに対して
今回のビオラは366mmでした。(設計より少し長くなってしまいました)

 

「小型ビオラ」を作るときには、

① ボディが小さくボリューム感が無い

② 弦の張力が弱くなるので音が出にくい

③ 振動弦長が短くなるのでサステインのない浅い音になりがち

などなど、いくつかデメリットが考えられますが

表、裏板のアーチと厚み取り、ネックアングルの設定、など熟慮を重ねておおむね満足できる音に仕上がりました。一番アカンのが「バイオリンみたいな(細い)感じの音」になってしまうことですが、それを避けられたのが良かったと思います。

特に小さい割にはC線はビオラらしいふくよかな音になっています。

ニスのフィニッシュはオリジナルのBellosioの写真を参考にシェードをかけた軽いアンティークフィニッシュ。

裏板のアーチの感じがわかりますか?

傷はつけずにシェードをつけました。駒の高さは38mmで標準的

指に力のない女性からの依頼で、ペグは「ウイットナー府ファインチューンペグ」を取り付けました。調弦はとても簡単。

(但し、当該ペグは構造と質量のため楽器の振動特性が少し高音側に傾きます。簡単に言うと「金属的」な音になるということですが、そこに関しては利便性とのトレードオフですね)

以下、各サイズ。

ボディ長 366mm アッパーバウツ 175mm ミドルバウツ 175mm ロワーバウツ 212mm

ストップ長 197mm ネック長 134mm 弦長 336mm

横板高 アッパー 34mm   ロワー37mm

アーチ高 表19,5mm 裏 20,5mm

久しぶりにチェロを作りました。

めっちゃ大変でした (笑)

 

外観は、以前作ったN.Amatiモデルの型を改造しA.Stradivariモデルに。

f字やスクロールは1711年の”Duport”ですが全体的には1700年の”Cristiani”に近いフォルムでごちゃまぜ。
見た目とニスの質感は、若干「アンティーク風」です。

全体はこんな感じ

(正面の感じ)

裏板は

(裏板の感じ)

最近よく聴くチェロの演奏は、A線ハイポジ高音部がなんだか甲高く聞こえてチェロっぽく(?)無いのが多いように感じるので、このチェロはなるべく穏やかな高音になるように作りました。

(アーチの感じ)

各寸法はいわゆるフルサイズで標準的な寸法です

(以下、各寸法)

胴長 755mm アッパーバウツ 343mm ミドルバウツ 232mm ロワーバウツ 444mm

横板高さ(ネックサイド) 116mm  (エンドピンサイド)119mm

STOP長 400mm ネック長 280mm 弦長 690mm 駒高92mm

 

出来立てでまだまだ音はこれから出てくると思いますが、なめらかな音質で弾きやすく響きの佳い一台に仕上がりました。

 

IMG_1850Gasparo da Salo 1580 をモデルに製作。

小型ですが低音のふくよかな「ビオラらしい」一台です。

このモデルで今まで何台も制作してきましたが、そのうちの一台。弦長(上ナットから駒までの振動弦の長さ)も短く設定してるので左手に負担なく演奏することができますが、弓圧を強くかけて行ってもつぶれることはありません。

外観は「ゆるキャラ」のような、どことなく愛嬌のあるスタイルです。

IMG_1851

裏板もハイアーチ(ふくらみが大きい)にしてボディの「内部空間」を稼いでいますが、単にハイアーチにしてるだけでは鳴らしにくくなってしまうので独特の工夫も加えてあります。

IMG_1852

スクロール~ペグボックスの造形もいわゆる現代の物とは違うので面白いですね。

(スクロールは単なる飾りではなく、ボディの響きにも大きく影響します。よく観察すると過去の制作者の「響き」に対する考え方が垣間見えるようです)